2023年になってから、色々と投資に関する本を読む中で、チャールズ・エリス著『敗者のゲーム[原著第8版]』(2022)を読みました。
この本は、インデックス・ファンドを買って、ホールドし続けることの重要さが書かれています。色々と参考になる内容が多かったのですが、とくに、市場が大きく下落した際に、恐怖心から株を売却した結果、その後、訪れる下落からの回復局面の恩恵が十分に得られないことが多いという指摘が参考になりました。下落からの回復は「稲妻が輝く瞬間」のように、一瞬だけ発生するそうです。「稲妻が輝く瞬間」に市場に居合わせる重要性を肝に銘じておきたいです。
本書の中で、「稲妻が輝く瞬間」を逃した場合の検証があったので、僕のほうでも「稲妻が輝く瞬間」を逃した場合の検証を簡単にしてみます。
ビットコインの2017年7月末〜2023年5月末までの価格データを使って検証します。ビットコインのスプレッドは3%にしておきます。たとえば、2017年7月末のビットコイン価格が315,083円であれば、2017年7月末のビットコイン買値は、324,535円といった感じです。
2017年7月末に100万円分のビットコインを買って、70か月間放置すると、2023年5月末の評価額は1169万円になります。2017年7月末〜2023年5月末までのビットコイン価格推移は下図です。
投資期間70か月のうち、ベスト1か月を逃すと、2023年5月末の評価額は705万円になりました。
(ベスト1か月を逃すというのは、ベスト1か月が訪れる前月末に全額売却して、ベスト1か月の月末に全額購入するという計算をしています。売買するときはスプレッドも計算に入れています)
ベスト4か月まで逃したデータは下図です。
ビットコインのボラティリティが大きいのも原因ですが、投資期間70か月のうち、わずか1か月ベストを逃すだけで、大きく評価額が下がります。
一般的に、「ベストT期間を逃すと、リターンがこれだけ減ります」というのをよく聞きますが、逆にワースト期間から回避したデータも検証する必要があると思います。
ワースト1か月などを回避した場合のデータを追記したものが下図です。
ワースト1か月を回避するだけでも、大きく評価額が上がっていますね。
ただ、事前に市場の動向を読むのは困難なので、市場に居続けることが重要だと思います。
僕は、市場タイミングが読めないので、今後も市場に居続けます。