マグロ大好き! -技術者のお金blog-

インデックス投資が好きです/取得資格:宅建・FP2級/1988年生まれ/エンジニア/2050年3月末(61歳)でセミリタイア予定

債券投資の効果を検証してみた

僕は、債券投資があまり好きではありません。

 

リターンという観点で考えれば、債券は株式よりも劣りますし、ここ20年を振り返ると、慢性的に低金利がつづき、債券投資のメリットは薄れている気がします。

 

守りを重視するのであれば、債券よりも銀行預金が一番だと思います。現金を銀行預金しておけば、債券のように価格下落することはないですし、「すぐに現金が欲しい!」というときは、コンビニのATMに走っていけば現金が手に入ります。銀行預金は、長期的に見ればインフレリスクがありますが、「便利を享受するための手数料」と納得できるほどです。

 

僕は、基本的には、手間を考えると、リスク資産は「全世界株インデックス投資100%」が最適で、あとは個人のリスク許容度にあわせて現金比率を調整するのが良いと思います。もうひと手間をかける余裕があるのであれば、「株式90%・債券4%・ゴールド2%・暗号資産4%」などと分散するのもありだと思いますが、手間をかけて分散投資をしても、「株式100%」に劣る可能性が十分にあります。

 

でも、場合によっては、債券投資が有利になる場合もあります。たとえば、「株式が暴落したときに、どうしてもリスク資産を取り崩さなきゃいけない」という場合です。

 

今回、「株式100%」投資と「債券10%・株式90%」投資の比較シミュレーションしてみます。

 

想定シナリオは、以下です。

 

20xx年1月1日に、2000万円を運用していて、20xx年6月1日にトラブルに見舞われて、緊急的に70万円のリスク資産を取崩すことになりました。このとき、年初来で債券は-10%の成績で株式は-40%です。取り崩した後、現在にかけて、債券は+5%の成績で株式は+7%の成績だったとします。

 

年初〜取崩し日までを「t1 ~ t2」として、取崩し日〜現在を「t2 〜t3」とすれば、現在の金融資産(下図のC14セル)の計算式はこうなります。1つのセルに強引にまとめたので、煩雑ですが…。

 

(厳密に言えば、上の計算式は正しくないこともあります。たとえば、「取崩し額が大きいとき」などです。本来は、場合分けが必要ですが、式が煩雑になるので、今回は上の簡易式で計算します)

 

Excelで計算した結果、現在の金融資産資産は、

「株式100%」運用の場合、12,091,000円でした。

「債券10%・株式90%」運用の場合、12,709,200円でした。

 

「債券10%・株式90%」のほうが成績が良いです。

 

一応、検算してみます。

 

「株式100%」の場合

まずは、「株式100%」を検算します。1月1日時点で、株式の保有額が2000万円で、70万円を取り崩そうとしたとき、-40%の成績なので、株式の保有額は1200万円です。ここから70万円分を売却するので1130万円になります。そこから、現在にかけて+7%の成績ですから、現在の金融資産は1209.1万円です。

 

「債券10%・株式90%」の場合

次に、「債券10%・株式90%」で検算します。1月1日時点で、債券の保有額は200万円で、株式の保有額は1800万円です。70万円を取り崩そうとしたとき、債券は-10%の成績なので、債券の保有額は180万円です。株式は-40%の成績なので、株式の保有額は1080万円です。ここで、70万円を取り崩すわけですが、「最近は株式が下がっているから、株式は売るのはもったいない。債券70万円を取り崩して、株式は取り崩しはやめよう」とか私情を挟まずに、機械的に、取り崩し後に「債券10%・株式90%」になるように取り崩します。つまり、債券を61万円取り崩して、株式を9万円取り崩します。すると、取り崩し後は、債券は119万円保有して、株式は1071万円保有になります。計算すると「債券10%・株式90%」の配分になっていますね。そのあと、現在にかけて債券は+5%の成績ですから124.95万円になって、株式は+7%の成績ですから1145.97万円になって、債券+株式の合計は1270.92万円です。

 

このように、場合によっては、債券投資が効果的な場合もあるようです。

 

もちろんシミュレーション条件によっては結果は異なります。「債券を持つかわりに現金を多めに持っておく」という戦略もあります。たとえば、金融資産が2000万円の人は、「現金180万円・株式1700万円・債券120万円」よりも「現金200万円・株式1800万円」としたほうが良いのかもしれません。適当な条件をいくつか発生させて、モンテカルロ法でシミュレーションすると面白いかもしれませんが、結局は前提条件によって答えはバラバラです。また今度、色々と考えてみたいと思います。