マグロ大好き! -技術者のお金blog-

インデックス投資が好きです/取得資格:宅建・FP2級/1988年生まれ/エンジニア/2050年3月末(61歳)でセミリタイア予定

eMAXIS Slim米国株式(S&P500) の2054年末価格をシミュレーションしてみた

先日、「2023年2月6日に、eMAXIS Slim米国株式(S&P500) が国内の投資信託で純資産額残高がトップになった」というニュースを見ました。

 

S&P500への投資がブームになっているのでしょうか。順調に純資産額残高が増えていっているようですね。

 

僕はSBI・V・S&P500を購入していますが、妻はeMAXIS Slim米国株式(S&P500) を購入しています。まあ、どちらも同じような値動きをするので、誤差の範囲ですね。

 

eMAXIS Slim米国株式(S&P500) の2022年末の基準価格は、18,035円でした。これに月間騰落率を+0.6%(標準偏差4.5%)の乱数を与えて、成長させたシミュレーションを考察してみます。

 

2054年末の基準価格はいくらになるのでしょうか?

 

シミュレーション結果です↓

2045年以降の成長が目立ちますね。

前半部分の推移が分かりづらいので、縦軸を対数表示にしてみます↓

長期間の価格推移を確認するときは、縦軸が対数のほうが分かりやすいことが多いです。

 

月間騰落率はどうなっているのでしょうか↓

ただのノイズにしかみえませんね。

 

年間騰落率は↓

2043年2047年にかけての好調がすごいですね。実際の投資でも、後半にかけて好調が来ると良いのですが…。

 

2023年の年間騰落率は-18%で、2024年は17%、2025年は2%と続きます。そして、2023年〜2054年の年間騰落率を合計して32で割ると、平均は8.725%と求まります。この平均値は算術平均と呼ばれる平均です。

 

算術平均 vs 幾何平均

2022年末の基準価格が18,035円で、年利8.725%の投資を32年間投資を続けると、2054年末の基準価格はいくらになるのでしょうか。

 

計算式は

18035*(1+0.08725)^32

なので、

 

262,215円です。

 

でも、実際には、32年後には、183,042円になっています。つまり算術平均を使って、32年後の基準価格を計算してはいけないということです。

 

では、初期値18,035円が32年後に183,042円になるには、毎年x%ずつ成長すれば良いのでしょうか?

 

これは単純に、

 (183042÷18035)^(1/32)-1

を計算すれば良いです。

 

計算してみると、0.07510549となりました。

 

よって、

x = 7.510549 (%)

です。

 

このxが幾何平均と言われるやつですね。算術平均と幾何平均は違うものです。

 

検算してみます。初期値18,035円が毎年7.510549%ずつ成長した場合、32年後の価格は下図で計算します。

検算の結果からも、18,035円を年利7.510549%で運用すると、32年後に183,042円になることが分かります。

 

このように、基本的には、算術平均 > 幾何平均になります。長期投資を考える上では、「これは算術平均? それとも幾何平均?」ということを意識したほうが良いです。

 

何回かシミュレーションしてみた

eMAXIS Slim米国株式(S&P500) の2022年末の基準価格18,035円に、月間騰落率を+0.6%(標準偏差4.5%)の乱数を与える作業を残り19回やってみました。

 

結果↓

全20回のシミュレーションに、モデル1〜モデル20と名前をつけて、各モデルの年間騰落率を調べてみます↓

これら20個のシミュレーションの算術平均の平均は7.0%でした。

 

では、幾何平均はどうなるのでしょうか↓

 

幾何平均が求まれば、「2022年末に一括投資したら2054年末は何倍になるか?」を簡単に計算することができます。

たとえば、2022年末時点で800万円をSP500に連動する投資信託に投資している人は、2022年末に一括で800万円分の投資信託を購入したとみなして計算することができますので、このままホールドし続けた場合の2054年末の評価額がシミュレーションできます。

 

ここで、モデル11に着目すると、2023年〜2054年の運用成績は、算術平均で年4.30%ですが、これくらいの運用成績は十分に想定しておいたほうが良いでしょう。

 

2022年末に800万円投資して、以後は毎月3万円を積立てする場合

では、2022年末の運用資金が800万円で(つまり2022年末に800万円一括投資したとみなして)、2023年以降は毎月3万円を積立てする場合、2054年末の資産はいくらになるのでしょうか。運用成績は、上記のモデル1〜モデル20を使って計算します。結果はこんな感じになりました(縦軸の単位は「万円」です)

運用の後半にかけて、資産のバラつきが大きくなりました。長期投資をすればするほど、運用成績のバラつきは小さくなります。ですが、長期投資をすればするほど資産のバラつきは大きくなります。

 

2054年末の資産を棒グラフにしてみます↓

投資元本は、1952万円(初期値800万円、積立1152万円)です。