マグロ大好き! -技術者のお金blog-

インデックス投資が好きです/取得資格:宅建・FP2級/1988年生まれ/エンジニア/2050年3月末(61歳)でセミリタイア予定

長期投資はリスク低減につながらない

以前どこかで、以下のような話しを聞きました。

 

「SP500への投資は、年間の収益率はだいたい7%で標準偏差は20%くらい。なので、SP500への投資は、最初の1年目の年間収益率は-13%から27%の間に68%くらいの確率(1σ)で収まる。そして、長期に渡って運用すればするほど、だんだん収益率のブレ幅は少なくなって安定していく」

 

こんな感じの内容でした。聞いたときは、「そっか。そんなものか。最初の数年は、すごく儲かることもあるし、すごく損失することもあるけど、だんだん安定してくるんだな」程度に思っていました。

 

たしかに、長期に渡って運用をすればするほど、運用の収益率は安定してきますが、資産額のブレ幅というのは拡大していきます。

 

一般的には、「今から投資をはじめて、65歳までの運用成績はいくらかな?」ということよりも「今から投資をはじめて、65歳の資産額はいくらかな?」というほうが気になると思います。

 

そして、結論を書くと、長期で運用すればするほど(未来になれば未来になるほど)、資産額の予想のブレ幅は大きくなります。誤解しがちなので、注意が必要です。

 

今回は、長期投資における資産額のバラツキについて簡単にシミュレーションしてみます。

 

明治安田アセットマネジメントの投資シミュレーションで、

・初期投資800万円

・年間リターン7%

・年間リスク20%

・投資期間20年

という条件で評価額を計算してみました↓

 

 

こんな感じで、綺麗なグラフが簡単に得られます。

 

このシミュレーションに対して、投資期間を1年、2年、3年…20年と繰り返して、資産額の「上位10%」「平均」「下位10%」をプロットすると下図になりました。

投資年数が経過すればするほど、資産額のバラツキ幅が大きくなっていくのがわかります。

 

では、運用成績は、どのように推移されていくのでしょうか。上図の資産額から運用成績を逆算したものが下図です。同じく「上位10%」「平均」「下位10%」をプロットしています。

たしかに、投資期間が長くなれば長くなるほど、運用成績は緩やかに収束していくように感じます。とくに投資期間が長くなれば長くなるほど、元本割れする確率が減っていく点に注目ですね。一般的に「長期で投資すれば元本割れする確率は減りますよ」と言われる事象が確認できます。ですが、「運用成績は何%か?」とか「元本割れする確率は?」ということに、こだわる必要ないと思います。人間の心理として、購入時の株価を意識しがちですが、「購入時の価格」を投資判断に入れないほうが良いです。

 

ちなみに、明治安田アセットマネジメントのシミュレーションでは、モンテカルロ法(サンプル数1000)で計算しているみたいです。

 

僕のほうでも、モンテカルロ法で計算してみたいと思って、サンプル数は2000で計算しました。

 

2023年1月末に800万円を投資して、以降は放置して、2042年末の資産額をシミュレーションしてみました。その他の条件は、

・年間リターン7%

・年間リスク20%

という条件で乱数を発生させて、明治安田アセットマネジメントの条件と同じようにしました。

 

先ほどと同じように、「上位10%」「平均」「下位10%」をプロットすると↓

同じような結果が得られました。ただ、何回かシミュレーションしてみると、「上位10%」に関しては、それなりに変動幅がありました。