マグロ大好き! -技術者のお金blog-

インデックス投資が好きです/取得資格:宅建・FP2級/1988年生まれ/エンジニア/2050年3月末(61歳)でセミリタイア予定

一括投資でも分割投資でも、ほぼ一緒。すぐに始めよう。

投資は、無理のない範囲で構わないので、すぐに始めて、長期間にわたって運用することが大切だと思います。

 

たとえば、今、貯金が270万円あるAさんが居ます。Aさんは、貯金270万円のうち、150万円は、何あったときの生活防衛資金として貯金して、残りの120万円で投資を始めようとしています。

 

では、この120万円を一括で投資する場合と、120万円を12分割して毎月10万円を投資する場合、どちらを選択すべきでしょうか。

 

一般的には、投資初心者の場合、心理面のことも考えると、まずは120万円を分割して毎月10万円を投資したほうが良いと思います。僕も分割投資を勧めたいと思います。

 

この記事の結論を先に書くと、タイトル通り、「一括投資でも分割投資でも、ほぼ一緒。すぐに始めよう」です。

 

一括投資だと、暴落するリスクが怖いので、なかなか投資する勇気がでない。そして、なかなか投資できない状態が続くよりも、まずは分割で良いので、早めに投資を始めて、できるだけ長期間運用したほうが良いと思います。

 

でも、「株価が右肩上がりになると信じるなら、一括投資のほうが良い結果をもたらす可能性が高い」という人もいます。

 

そこで、今回は、長期間の運用を考えた場合、一括投資と分割投資でどれくらい差が出るのか、簡単にシミュレーションしてみます。

 

eMAXIS Slim米国株式(S&P500) という投資信託があります。2022年末の基準価格は、18,035円です。これに乱数を発生させて、月間騰落率+0.6%(標準偏差4.5%)で成長したときのシミュレーションをすると、2054年末の基準価格は、183,042円になりました。

 

eMAXIS Slim米国株式(S&P500) の2054年末までの運用シミュレーションについては、また後日、色々と分析してみたいと思います)

 

何回かシミュレーションしてみましょうか。2回目〜19回目のシミュレーション結果を緑色で線で表すと↓

前半は、動きが穏やかで、後半にかけて差がでるように感じますね。上図の縦軸を対数にしてみましょう↓

少し印象が変わりました。長期間での価格推移を観察するときは対数グラフのほうが見やすいことも多いです。

 

では、ここで、オレンジ色の線の2023年の成績を確認してみます↓

2023年末の基準価格は、14,832円です。この場合、2023年1月に一括投資をすると、2023年は下落が続くので、結果的には「一括投資が失敗した」ということになりますね。

 

では、どれくらいの失敗になるのでしょうか。Aさんの例でシミュレーションしてみましょう。

 

Aさんの一括投資シミュレーション:2023年1月に一括で120万円投資して、2024年以降は毎月3万円を積立て投資。

 

Aさんの分割投資シミュレーション:2023年は毎月10万円投資して、2024年以降は毎月3万円を積立て投資。

 

まずは、2023年末の評価額を比較してみます↓

 

青色が一括投資です。一括投資の場合、2023年の成績が悪いせいで、メンタルがやられそうになりますね。こういう結果を見ると、やはり分割投資のほうが初心者には向いている気がします。

 

2054年末までの評価額推移を確認してみましょう↓


こんな感じになります。グラフにすると、ほぼ一緒と思えてきます。

 

もう一歩踏み込んで、2054年末の一括投資と分割投資の運用成績の差額228万円について考察してみます。

 

さきほどの

Aさんの一括投資シミュレーション:2023年1月に一括で120万円投資して、2024年以降は毎月3万円を積立て投資。

という一括投資の2054年末の評価額というのは、「2023年の一括投資」と「2024年以降の積立投資」の合計値です。

 

同様に、

Aさんの分割投資シミュレーション:2023年は毎月10万円投資して、2024年以降は毎月3万円を積立て投資。

という分割投資の2054年末の評価額というのは、「2023年の分割投資」と「2024年以降の積立投資」の合計値です。

 

よって、2054年末の一括投資と分割投資の差額というのは、「2024年以降の積立投資」は無視できるので、2023年の差額を2054年末まで複利運用し続けた結果と一致します。

 

検算してみてみます。2023年末の一括投資の評価額は約94万円で、分割投資の評価額は約112万円です。この差額である約18万円を元手に2024年〜2054年まで運用した結果を計算すると、約228万円になりました。

 

なので、たとえば、一括投資と分割投資した場合の20年間の運用成績の差額を求めたいときは、まずは2023年の運用成績の差額を求めて、この差額を残りの19年間、複利運用した場合の結果を計算すれば、一括投資と分割投資の20年間の運用成績の差額を求めることができます。

 

今回は、たまたま2023年の成績が悪いシミュレーションでしたが、たとえば、もう1回シミュレーションしてみて、2023年の成績が下図の場合、

2023年末の評価額を比較すると、

一括投資のほうが2023年末の成績が良くなります。

 

こんな感じで、何回かシミュレーションすると、一括投資のほうが成績が良くなります。

 

ただ、2023年の成績なんて予想できないと思います。であれば、大ざっぱに言えば、一括投資も分割投資も、ほぼ一緒な気がします。

 

投資は、無理のない範囲で構わないので、すぐに始めて、長期間にわたって運用することが大切だと思います。