クレジットカードは色々な種類がありますね。
そこで、どのクレジットカードを選ぶのが最適なのかを考える「基礎」をお伝えします。
これを読めば、クレジットカードの実質還元率の考え方の基礎がわかります。
長い記事になるので、何回か記事をわけて書きます。だんだん記事の難易度をあげていきます。
第1回目は基礎編です。「毎月利用額ごとポイント vs 都度ポイント」です。
問題1:クレジットカードの利用額が100円ごとに、1pt加算される「カードa」と「カードb」がある。「カードa」のポイント計算は、会計ごとに都度計算(たとえば、1回の買い物が420円だと4pt加算)で、「カードb」のポイント計算は、1ヶ月の利用額ごとに計算(たとえば、1ヶ月のカード決済額が1,200円だと12pt加算)である。ほかの条件が同じ場合、どちらのカードのほうがお得か。
解答:1ヶ月のクレジットカード利用額に対して、ポイント計算されるほうがお得。
以下、具体的に、計算してみます。
たとえば、各クレジットカードのポイント加算ルールを以下の場合を考えます。
この場合の実質還元率を求めてみます。
まずは、この表の意味を解説していきます。
最初に、「ポイント加算(通常利用)」を見てください。
これは、「100円ごとに、1pt加算される」ということです。
次に、「pt還元最低単位」です。
これは、「100pt貯まったら、100円還元することができる」ということです。
実質還元率の計算期間nについては、今回はとりあえず無視してください。別の記事で、nを変化させたときのグラフが登場します。
今回、「カードa」と「カードb」で条件が違うのは、ポイント計算が「毎月」と「都度」という部分です。
具体的に、数値を代入してみます。たとえば、毎日4,360円の買い物(クレジットカード決済)をするとします。
「カードa」は、毎月の利用額に対して、ポイントを算出します。1ヶ月を30日で計算すると、毎日4,360円×30日で、1ヶ月で130,800円の買い物をします。そして、毎月のカード利用額130,800円に対して、100円ごとに1pt付与されるので、1ヶ月で1,308ptが付与されます。
一方、「カードb」は、都度の利用額に対して、ポイントを算出します。つまり、毎日4,360円の買い物をするので、毎日43pt付与されます。これを1ヶ月(30日)繰り返すので、 1ヶ月で1,290ptが付与されることになります。付与されるptは、毎日4,360円の買い物をしているのにも関わらず、毎日4,300円の買い物をした場合と変わりません。つまり、毎日60円分の利用額が切り捨てられています。
月間付与ptを表にまとめると、以下になります。
毎月の利用額に対して、ポイントを算出する「カードa」のほうが有利ですね。
「カードa」の年間還元率を計算すると、1ヶ月に1,308pt貯まるので、年間では15,696pt貯まります。年間で貯まった15,696ptは、15,600円還元されます。計算の都合上、年間利用金額を4,360円×30日×12ヶ月とすると、1,569,600円になるので、1年間の実質還元率は、0.994%になります。
一方、「カードb」の年間還元率を計算すると、1ヶ月に1,290pt貯まるので、年間では15,480pt貯まります。年間で貯まった15,480ptは、15,400円還元されます。計算の都合上、年間利用金額を4,360円×30日×12ヶ月とすると、1,569,600円になるので、1年間の実質還元率は、0.981%になります。
クレカの月額利用額ごとに、「カードa」と「カードb」の実質還元率を計算すると、以下のようなグラフになります。
(クレジットカードの毎日の利用額x円をパラメータとして、月額利用額が変動するとして計算しています)
クレカ月額利用額が増えれば増えるほど、実質還元率は収束していきますね。
収束の問題をイメージするときは、極端な例を代入すると分かりやすいです。たとえば、毎日のクレカ利用額が100,090円の人にとっては、切り捨てられる90円なんて誤差です。でも、毎日190円クレカ利用する人にとっては、切り捨てられる90円の影響は大きいですね。(もっと極端な例ですど、毎日90円の駄菓子をクレカ決済している人は還元率0%です)
上のグラフのうち、クレカ月額利用額が低い部分のみに着目すると、実質還元率は、クレカ月額利用額によって、大幅に変動します↓
ようするに、「どれだけ切り捨てて、無駄になるか」という問題ですから、1回の利用額が少額で、月間利用回数が多ければ多いほど、切り捨てられて無駄になる部分が多くなるというわけです。
▼第1回目の記事のまとめ
「毎月利用額ごとポイント」vs「都度ポイント」では、「毎月利用額ごとポイント」のほうが有利。
もう一歩、踏み込むと、「1回の利用額が低ければ低いほど、また、クレカ利用頻度が多ければ多いほど、実質還元率に差がでる」というのも頭の片隅に入れておくと便利です。
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